IT業界の工数の見積もり方法である人月、人日の考え方、1人月の相場はいくらか?の考え方についてまとめました。
人月、人日とは?
人月の読み方は、にんげつです。
人月 (マンマンス、man-month) とは、1人が1か月で行うことのできる作業量 (工数) を表す単位です。
同様に、人日 (にんにち) は、1人が1日で行うことのできる作業量を表します。
人時、人週という考え方もあるようですが、あまり使われません。
工数を人月を単位として見積もることを、人月計算 (にんげつけいさん) と言いますが、IT業界ではよく使われる計算方法、見積もり方法です。
1日8時間、1ヶ月は20日として計算することが多いようです。
よって、1人月は20人日です。
例えば、10人月の意味は、1人の人で10ヶ月、2人なら5ヶ月、5人なら2ヶ月、10人なら1ヶ月 働く仕事量を意味しています。
10人月は、200人日になります。
SE 1人月の相場はいくらか?
1人月の相場を言うのは難しいです。
と言うのは、会社や経験によってかなり格差があるからです。
例えば、以下のような金額なら普通ぐらいと言えるでしょう。
新人なら、1人月50万円。
プログラマーなら、1人月80万円。
SEなら、1人月100万円。
コンサルタントなら、1人月120万円。
これが料金表の場合、例えば、新人、プログラマー、SE、コンサルタントをそれぞれ2ヶ月必要なプロジェクトがあったとします。
この場合、工数は8人月となります。
見積もり金額は、50×2 + 80×2 + 100×2 + 120×2 = 700万円 となります。
ちなみに、フリーランスならもう少し低い金額が普通です。
大手の外資系企業やコンサル会社なら
1人月200万円から300万円
ぐらいの金額になります。
これは、それだけ質の高いサービスを行っていると言えます。
また、一般に肩書によって単価は異なります。
以下のようになるのが普通です。
コンサルタント > プロジェクトマネージャー > システムエンジニア(SE) > プログラマー
人月計算の問題点
人月計算は、ITでは一般的な見積もり方法です。
ただ、いくつかの言外の問題点を抱えています。
例えば、
- 人と月は可換ではない。10人月 = 1人で10ヶ月かかる仕事が、10人で1ヶ月で終わるわけではない。
- 人月の考え方に照らすと、納期に間に合わない場合には、作業員を増員すればよいことになる。遅延したプロジェクトに作業員を増員すれば、増員された作業員の教育のために、既存の作業員の能率が低下する。結果として、プロジェクトはさらに遅延する。
とはいえ、人月、人日以上の工数見積もり方法がないのが現状です。
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