SLA とは
SLAとは、Service Level Agreementの略です。
読み方は、エスエルエーです。
SLAは、サービスをどの程度の品質で提供するのかを定めた契約のことです。
SLAは、主として、ASPやSaaSのような、継続して機能を提供するサービスを契約するときに、
- サーバーの稼働率がどれくらいか(サーバーダウン時間の許容範囲)
- 反応速度がどれくらいを保つか
- データはどれくらい保全されるか
などを、数値で示せる形 (客観的に判断できる形) で示し、かつ、それが守られなかった場合にどういった対応がされるかを示したものです。
SaaSのようなクラウドサービスでは必ず、SLAが定義されています。
SaaSについては以下にまとめました。
SLAのサンプル
VPSサービスで有名な、さくらインターネットのクラウドサービスのSLAを例に見てみましょう。
以下にSLAの記載があります。
さくらのクラウド品質保証(SLA)について
当社は「さくらのクラウド」にサービス品質の水準を下記のとおり定め、これを保証します。
サービス品質の水準
月間のサーバー稼働率が、99.95%以上であること。
稼働率の考え方
SLA適用サーバーの月間稼働率算出方法は、以下の計算式によるものとします。
月間稼働率=(月間総稼動時間−累計障害時間)÷月間総稼動時間×100
※月間総稼働時間とは、暦月の初日から末日までの期間となります。
累計障害時間の考え
累計障害時間とは、以下の各号のいずれかの状態(以下、「障害」といいます)が生じたことを、当社が当社ホームページの障害情報で報告した時間または利用者がこれを証明することができる時間をいいます。
1.利用者のSLA適用サーバーの電源が入らない状態
2.利用者のSLA適用サーバーに全くアクセスできない状態
3.利用者のSLA適用サーバーに接続されているディスクに全くアクセスできない状態
稼働率に伴う減額
さくらインターネット株式会社(以下「当社」といいます)は、利用者が利用する「さくらのクラウド」におけるサーバー(以下、「SLA適用サーバー」といいます)の月間稼働率が99.95%に満たなかった場合、当該稼働を満たさなかった部分に相当する当該利用サービスの利用料金(「サーバー料金+ディスク料金」のみを対象とします。)について減額するものとします。
SLA適用除外条件
第1項および第3項の要件を満たす場合であっても、以下の各号のいずれかに該当する場合は、当社は減額を行わないものとします。
1.当社が必要と判断し、事前に告知したまたは緊急で実施したメンテナンスによる場合
2.当該SLA適用サーバーの利用契約が終了する月の前月および当月に生じた障害に起因する場合
3.利用者が、当社が定める約款に違反したことに起因する場合
4.SLA適用サーバー内にインストールされたOS、ドライバ、ミドルウェアなど、利用者が構築した当該SLA適用サーバーの環境に起因する障害
5.利用者のクライアントPC環境、インターネット環境など、当社が管理する設備以外の問題に起因する場合
6.プラン変更などによるSLA適用サーバーの停止など、「さくらのクラウド」の仕様に起因する場合
7.コントロールパネルの不具合など、付加機能の問題に起因する場合
8.コントロールパネルからの操作が可能な場合
9.第三者からの攻撃、妨害などに起因する場合
10.障害が継続した時間を利用者が証明できない場合
11.火災、停電、地震、洪水、津波、戦争、動乱、暴動などの事由による場合
12.当社の責によらず、サーバー機器やディスクなどのハードウェアおよびネットワーク回線の品質が低下したことに起因する場合
13.旧ストレージに起因する障害
14.利用者による共有セグメント上でのDHCPの利用に起因する障害
15.その他、サービスの提供を中断する必要があると、当社が判断した場合
稼働率に伴う減額申請
申請
利用者は、利用者が利用するSLA適用サーバーの月間稼働率が99.95%を下回ったと考える場合、当社所定の様式により、当月の翌月15日までにその事実を当社に申告するものとします。
当社は、当該申請に基づき調査した結果、当社の責に帰すべき事由により生じた障害に起因し、当月における当該SLA適用サーバーの月間稼働率が99.95%を下回ったと当社が判断した場合に限り、第1項の減額を行います。
減額は、当該減額を行う事由の生じた月の翌月以降の当該SLA適用サーバーの利用料金請求額より控除することで行うものとします。
申請方法
お客様の月間のサーバー稼働率が99.95%に満たなかった場合、以下の方法で「減額申請」を行ってください。
下記のメールアドレス宛てに必要事項を記入してお送りください。
address
件名を「さくらのクラウド減額申請書」と記入していただき、下記の項目をお知らせください。
・お客様の会員ID
・影響を受けたサーバーのリソースID
・影響を受けたディスクのリソースID
・障害が発生した日時
・障害が収束した日時
・お客様のサーバー稼働時間
この例の場合、「月間のサーバー稼働率が、99.95%以上であるこ」と書かれています。
この場合、システムがダウンする時間が
30日(1月) x 24時間 (1日) x 60分 (1時間) x (1-0.9995) = 262.8分
つまり、4時間22.8分を超えるようだったら、SLAの規約に基づき、減額の請求を行うことが可能になります。
SaaS向けSLAガイドライン
経済産業省から、SaaS向けSLAガイドラインが出ています。
本ガイドラインでは、SaaS 型取引に係る紛争を未然に防止するために、実際の SaaS サービスにお
けるサービスレベル設定事例を元に、利用者とサービス提供者間が事前に合意すべき事項や望ましいサービスレベルに関する指針を示した。
詳細は以下に書かれています。
http://www.meti.go.jp/committee/materials/downloadfiles/g80207c05j.pdf
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